忘れられた魔法

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忘れられた魔法

— a tale of forgotten light —

灰色の空を見上げるエルフの娘

灰色の空が、どこまでも続いていた。

白い髪をしたエルフの娘は、崩れかけた石壁にもたれ、遠くを見つめていた。この世界が変わったのはいつからだろう。いや——最初からこうだったのかもしれない。

人々は毎日を生き延びることに必死で、誰も笑わなくなって久しかった。彼女も同じだった。何かを変えたいと思いながら、何も変えられないまま、日々が過ぎていく。

そんなある日、広場のざわめきが彼女の耳に届いた。

「——世界を変える魔法が、あるらしい」

旅人の口から漏れたその言葉が、彼女の胸に小さな火を灯した。

世界を変える魔法。

もしそれが本当なら。もしその魔法を手にできたなら——この灰色の世界を、変えられるかもしれない。

彼女は立ち上がった。気づけば足が動いていた。

あなたはどうする?

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旅人の言葉

旅人と会話するエルフの娘

エルフの娘は旅人に駆け寄った。

「その魔法のこと、もっと教えてください」

旅人は少し驚いた顔をしてから、ゆっくりと語り始めた。

「北の山を越えた先に、古い神殿があるという。そこに魔法が眠っていると聞いた。だが、辿り着いた者は誰もいない」

彼女は北へ向かった。旅人の言葉を頼りに。

しかし歩けば歩くほど、道は枝分かれし、どれが正しいのかわからなくなっていった。出会う人々に聞くたびに、答えはばらばらだった。

東だという者がいた。西だという者もいた。そもそも神殿など存在しないという者もいた。

彼女の足が止まった。誰の言葉を信じればいいのか、もうわからない。

あなたはどうする?

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終わらない迷路

迷宮の前で悩むエルフの娘

エルフの娘は歩き続けた。東へ向かった。違った。西へ向かった。違った。北へ、南へ、また東へ。

出会う人々の言葉を信じるたびに、道は変わった。でも辿り着く場所はいつも、見たことのない迷路の続きだった。

それでも彼女は歩いた。次の旅人が言った。「南の谷を抜けた先だ」

彼女は南へ向かった。谷を抜けた先には——見覚えのある石壁があった。

おかしい。また、ここだ。

どれだけ歩いても、同じ場所に戻ってくる。足は痛かった。心はもっと痛かった。

「外に答えを求める者は、永遠にここを歩き続ける」

「答えはいつも、最初からひとつの場所にある」

声は消えた。彼女はしばらくその場に立っていた。風が頬を撫でた。

あなたはどうする?

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光る道

書籍を見つけるエルフの娘

エルフの娘はその場に座り込んだ。誰かに聞くのをやめた。地図を探すのをやめた。正しい答えを外に求めるのをやめた。ただ、目を閉じた。

私は本当は、どこへ行きたいのだろう。

私は本当は、何を求めているのだろう。

頭で考えるのをやめた。胸に手を当てた。しばらくして——胸の奥から、小さくて温かい何かが浮かび上がってきた。

こっちだ。

彼女は目を開けた。さっきまで霧に包まれていた道が、一本だけ、ほんのりと光って見えた。彼女の足は、迷わずそこへ向かった。

しばらく歩くと——古い小さな神殿を見つけた。そこに一冊の古びた書物があった。まるでずっとそこで、彼女を待っていたかのように。

「世界を変える魔法について」

あなたはどうする?

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内なる声

書籍を発見するエルフの娘

エルフの娘は旅人に声をかけなかった。なぜかはわからない。ただ、胸の中に小さな声があった。

聞かなくていい。あなたはもう知っている。

彼女は足の向くまま歩き始めた。おかしなことに、道に迷わなかった。

森を抜けると古い小さな神殿があった。そこには一冊の古びた書物が、まるで彼女を待っていたかのように存在していた。

「世界を変える魔法について」

あなたはどうする?

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閉じたページ

エルフの娘は急いでページをめくった。早く知りたかった。早く魔法を手に入れたかった。

「あなたはなぜ、世界を変えたいのですか?」

彼女は戸惑った。そんなこと、聞かれると思っていなかった。ページをめくろうとした。しかし、次のページが開かなかった。まるで石のように動かなかった。

答えないと、先へは進めない。

彼女はゆっくりと目を閉じた。なぜ、世界を変えたいのだろう。

あなたはどうする?

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本当に望むもの

書籍を発見するエルフの娘

エルフの娘は書物を膝の上に置いたまま、目を閉じた。

私はなぜ、魔法を探しているのだろう。本当に? それだけ?

しばらくして、彼女の胸の奥から、小さくて温かい何かが浮かび上がってきた。それは恐れではなかった。

私は——本当は、笑いたいのだ。あの人にも、笑ってほしいのだ。

目を開けると、なぜか涙が出ていた。彼女はそっと書物を開いた。するとページは、歓迎するように、するりとめくれた。

「諦めた者だけが失敗する。
歩き続ける者にとって、すべての道は成功への過程である」

私はまだ、歩き続けている。それだけで、もう充分だったのかもしれない。

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恐怖の根

迷いの森を逃げまどうエルフの娘

怖いから。ただ、怖いから。

その瞬間、風が止んだ。霧が濃くなった。黒い影が足元に絡みついてくるようだった。

なぜだ。なぜ変わらないんだ。

彼女は走った。でも影は消えなかった。彼女はとうとう膝をついた。

「お前は何から逃げている?魔法を求めているのか、それとも何かから逃げているのか」

彼女はゆっくりと、自分の中をのぞいてみた。恐怖の奥に、何があるのか。

母からプレゼントを受け取るエルフの娘

幼い頃の自分が見えた。母親に叱られて、泣いていた。

愛されていないと思った。この世界は怖いところだと、その日から思うようになった。

でも——ふと、別の記憶が浮かんだ。特別じゃない日に、母親が笑顔で差し出した、小さな箱。

愛されていなかったんじゃない。私が、愛を受け取れなかっただけだ。

その瞬間——霧が晴れた。影が消えた。彼女の頬に温かい光が差し込んできた。

長い長い勘違いが、ようやく解けたような涙だった。彼女はゆっくりとページをめくった。

「諦めた者だけが失敗する。
歩き続ける者にとって、すべての道は成功への過程である」

私はまだ、歩き続けている。それだけで、もう充分だったのかもしれない。

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忘れられた魔法

光る書籍を読むエルフの娘

ページをめくった瞬間、書物が淡い光を放った。彼女は息をのんだ。

「世界を変える魔法とは、あなたの目だ。

何を見るかではない。どう見るか、だ。

灰色の世界は、あなたが灰色と決めた世界だ。

同じ空を見て、美しいと感じる者がいる。
同じ痛みを受けて、強くなる者がいる。

魔法は最初から、あなたの中にあった。
あなたが忘れていただけだ」
空を見上げるエルフの娘

風が吹いた。灰色の空だった。何も変わっていなかった。なのに——

綺麗だと思った。

彼女の目から、涙がこぼれた。世界は変わっていない。でも彼女の見る世界は、もう二度と、あの灰色には戻らなかった。

「あなたはずっと、魔法使いだった」

彼女は書物をそっと胸に抱いた。旅はまだ続く。でも今度は、答えを探すためじゃない。自分の中にある光を、もっと大きく灯すために。

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石板の扉

目の前に広がる石の扉

長い旅の果てに、エルフの娘は古い石板の前に立っていた。石板には、こう刻まれていた。

「この旅を終えたあなたへ。

あなたは何者ですか?

物語の最後の言葉が、答えへの鍵となる。
キーワードを入れて、扉を開け。」

……扉は開かなかった。もう一度、考えてみよう。

※ 物語の最後の言葉の中に答えがある

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あなた自身が、
あなたの世界を創造している

— この物語を読んでくれたあなたへ —

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私は長い間、暗闇の底を歩いていました。

幼い頃から割と最近まで生と死が身近にありました。その中でどうすれば人生をより良く生きられるのか、ずっと模索してきました。孤独で、虚しい時期もありましたが、それでも答えを探し続けていました。

そんな私を変えたのは、一冊の書物との出会いです。そこに書いてあったのは、難しいことではありません。

あなたが心で感じたままに、あなたは世界を創造している。
世界はあなたの思考が反映されて造られている。

最初は信じられませんでした。でも視点を変えることで見える世界・感じる世界が変わりました。そして、自分がやりたいと思ったことに挑戦することができるようになりました。このブログも、そのひとつです。

まだ挑戦の途中です。でも辞めていない。だからこれは失敗じゃない。

もしあなたが今、虚しさの中にいるなら。周りの声が「やっても無駄だ」と言っているなら、どうか、その声より先に、自分の胸の声を聞いてみてください。

あなたが世界をどう捉えるかで、世界の見え方が変わります。灰色に見えるなら、まだ魔法を忘れているだけかもしれない。

本当はあなたの周りには、色鮮やかな世界が広がっています。なぜなら、あなたは本当は世界から大切にされているからです。

すでにある。
世界に愛されている。

あなたはずっと、魔法使いだった。

生きている実感を、情熱を、あなたにも味わってほしい。その旅を、応援しています。

Gamer Mam! / Mayu San

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